JP東京は、Microsoft社のソリューション導入事例を調査し、日本国内市場でのMicrosoft Dynamics 365ソリューションの浸透傾向と、導入された製品の組合せパターンを分析した。
*: Dynamics 365とは、Microsoft社が提供するインテリジェントなCRMやERPなどのビジネスアプリケーションのポートフォリオであり、優れた運用効率と画期的なカスタマーエクスペリエンスを提供するソリューションである。
Microsoft社が提供するビジネスアプリケーションは大別して2つのカテゴリがある。
1つめは汎用型のビジネスアプリケーションで、顧客がローコードで開発するためのフレームワークとしてPower Platform系アプリケーションがある。
2つめは業務型のビジネスアプリケーションで、業務単位および業務間連携のパッケージとして適用するものである。
従来からOfficeアプリケーション(現在のMicrosoft 365)に親しみ、メールやチャットによる対話とファイルの共有を行ってきた顧客が、PowerAppsやPower Automateでアプリケーションやワークフローを自ら開発し、業務を効率化するケースも近年増えてきた。
さらに、従来の専用メーカーがCRMやERPなどの業務パッケージとして提供してきた領域に対し、Microsoft社のDynamics 365ソリューションに置換することで、Microsoft 365アプリケーション群や自ら開発したPowerAppsアプリケーションやPower Automateワークフローとの親和性も享受できるようになってきた。
本調査は、日本国内でどのような Dynamics 365 ソリューションが浸透し始めているか、また、 どのようなソリューションの組み合わせが導入されているかを、Microsoft 社のケーススタディウェブサイトから分析したものである。
日本の26のケーススタディを基に顧客の規模に応じた導入分析を行い、Dynamics 365製品および製品の組み合わせごとに分類した。
考察:
1. Salesは、large規模顧客を中心に導入されている。
2. Customer ServiceとFinanceは、主にlargeからcorporate規模顧客に導入されている。
3. Business Central(オールイン型のERP)は、medium規模顧客に導入されている。
考察:
Sales単独の導入顧客も多いが、主にlargeからcorporate規模顧客に、ライフサイクル横断の複合製品の導入もある。
Dynamics 365の料金体系として2種類目以降の製品は大幅ディスカウントがあることも、大規模顧客で複合製品の導入を後押しする要因と考えられる。
1. SalesとCustomer Serviceの複合(セールスとカスタマーサービス)
2. SalesとCustomer ServiceとField Serviceの複合(セールスからフィールドサービス)
3. FinanceとSupply Chain Managementの複合(サプライチェーンマネジメントとファイナンス) など
JP東京は、Microsoft社ソリューションに対する以下のスキルを蓄積してきており、Dynamics365の適用提案と導入支援においてもこの経験スキルを発揮できると考える。
1. Microsoft 365(旧Office 365)の導入支援と運用支援
2. Power Platform(例:PowerApps、Power Automate)の導入と開発支援と運用支援
3. Dynamics 365(例:Business Central、Sales、Guides、Remote Assist)の導入と運用支援